カウンセリングの料金が高いのはなぜ?行けないと感じたときの選択肢を解説
悩みや不安を相談するためにカウンセリングの利用を考えているものの、料金が高くて行けないと困っている人も多いのではないでしょうか。カウンセリングの料金が高い理由はいくつかあります。この記事では、カウンセリングが高額な理由を解説し、高くて行けないと感じた場合の選択肢についても紹介します。金額が理由でカウンセリングの利用を躊躇している人は、ぜひ参考にしてみてください。
目次
カウンセリングの相場
カウンセリングの料金が高い理由を見ていく前に、カウンセリングの相場を押さえておきましょう。カウンセリングの相場は、コミュニケーションの方法ごとに以下のようになっています。
- 対面カウンセリング:30分4,900円程度、50分8,200円程度、80分13,000円程度、120分19,000円程度
- ビデオ・電話カウンセリング:30分3,800円程度、50分6,300円程度、80分10,000円程度、120分15,000円程度
- チャット・メールカウンセリング:1通2,500円程度
上記はあくまで相場であり、サービスによって対応時間が異なったり、カウンセラーによって料金が違ったりする場合もあります。また、チャット・メールカウンセリングについては、1通あたりではなく、一定期間中利用できる定額プランで料金を設定しているサービスもあります。
カウンセリングが高額な理由
カウンセリングが高額な理由には、主に以下の4つの理由があります。
- 専門家が対応をするため
- 場所代や人件費がかかるため
- 保険が適用されないことが多いため
- 1日に対応できる人数に上限があるため
それぞれの理由について、ひとつずつ解説していきます。
専門家が対応をするため
一般的にカウンセリングは、公認心理師や臨床心理士などの資格を持った専門家が1対1で相談者に対応します。カウンセラーが持つ知識や経験には高い価値があるため、その専門性に見合った相応の費用が発生するのです。
場所代や人件費がかかるため
カウンセリングを行うためのカウンセリングルームを運営・維持するためには、家賃や管理費などの場所代がかかります。
カウンセラー1人1人に対して専門性に見合う費用が発生することに加えて、運営スタッフの採用費やカウンセラーの研修費などの人件費もかかるでしょう。場所代や人件費などの必要経費が高額になることが、カウンセリング料金が高くなるひとつの原因です。
保険が適用されないことが多いため
カウンセリングには、保険が適用されないケースが多いです。保険が適用されるのは、精神科・心療内科などの医療機関で病気と認定され、医師が医療行為としてカウンセリングを行った場合のみとなります。
それ以外のカウンセリングの利用料金は全額が自己負担となるので、料金が高いと感じやすいのです。
1日に対応できる人数に上限があるため
カウンセリングは、質を担保するために1日に対応できる人数には上限が設けられていることがほとんどです。一度に何人もカウンセリングすることは難しい中で必要経費を捻出し、さらに利益を出す必要があることため、カウンセリング料金が割高になりやすいです。
カウンセリングに高くて行けないと感じた場合の選択肢
カウンセリングサービスの料金によっては、高くて行けないと感じる場合もあるでしょう。その場合には、オンラインカウンセリングサービスや公的機関によるカウンセリング、大学院生が対応するカウンセリングセンターを利用するなどの選択肢があります。それぞれの特徴や主なサービスをチェックして利用を検討してみましょう。
オンラインのカウンセリングサービスの利用を検討する
カウンセリングが高いと感じた場合にまず考えたいのが、オンラインカウンセリングの活用です。オンラインのカウンセリングサービスとは、パソコンやスマートフォンを用いてWeb上でカウンセラーに相談できるサービスです。カウンセリングルームを必要としないため、場所代などのコストがかからない分、比較的安く利用できます。
オンラインカウンセリングサービスには、コミュニケーションの方法がいくつかあります。コミュニケーション方法ごとの特徴を見ていきましょう。
チャットカウンセリング
チャットカウンセリングは、チャット形式でカウンセラーに相談できるサービスです。LINEなどのチャットを活用して文章のみで相談できるので、電話カウンセリングやビデオカウンセリングに比べて、自宅に家族やパートナーがいても気軽に利用できます。
また、チャットでのやり取りは文字として残り、後から見返すことが可能です。自分自身の言葉を客観視したり、カウンセラーの言葉を振り返ったりできるでしょう。
チャットカウンセリングサービスのなかでも、おすすめしたいのがUnlace(アンレース)です。Unlaceは、公認心理師・臨床心理士といった資格を持ったカウンセラーにチャット形式やビデオ形式で相談ができるオンライン完結型のカウンセリングアプリです。
Unlaceではカウンセリング前に相談内容を入力でき、その内容を元に複数のカウンセラーからオファーが届きます。その中から相談したいカウンセラーを選ぶことができるため、自分に合ったカウンセラーに相談することができます。
料金は、従来のカウンセリングよりも手頃に設定されています。具体的には、2週間からの定額プランを用意しています。延長したい場合は、31日目、91日目、181日目を基準に利用期間が更新可能で、延長期間に応じて料金がプラスされます。利用期間中は24時間365日いつでもカウンセラーに連絡でき、12時間以内を目安に返信が行われます。また、メッセージプランの利用中であれば、チケットを購入することで1回30分のビデオカウンセリングを利用することもできます。
Unlaceはカウンセリングだけでなく心理診断やセルフケアのコンテンツもあるため、自分の特性を理解したり悩みを整理しながらカウンセリングを進めることができるのもメリットです。
電話カウンセリング
電話カウンセリングは、文字通り電話を用いて音声のみでカウンセラーに相談できるサービスです。スマートフォンや固定電話があれば利用できるので、音声でやり取りしたいものの、ビデオカウンセリングで必要なパソコンやスマートフォンの操作が不得意という人でも気軽に相談できます。
ただし、カウンセラーに伝わる情報は音声のみであり、表情を伝えられない点には注意が必要です。声色や強弱、スピード、言葉選びなどに注意して話すと、音声だけでも気持ちを伝わりやすくなるでしょう。
ビデオカウンセリング
ビデオカウンセリングは、Web会議システムやビデオ通話機能などを用いて、カウンセラーと顔を合わせて相談できる方法です。対面のカウンセリングに最も近く、表情や音声を通してコミュニケーションを取ることができます。
ただし、パソコンやソフトの操作・設定が必要になる場合があるので、それらの扱いが苦手な人にはハードルが高いかもしれません。家族やパートナーがいる場所では利用しにくい点や会話内容が残らない点などにも注意が必要です。
公的機関によるカウンセリングを受ける
政府が設置した相談窓口やNPO法人のサービスなど、公的機関によるカウンセリングの利用も選択肢のひとつです。公的機関は政府の予算や法人への寄付・援助などを運営資金にしており利益を目的としていません。そのため、安価で相談できたり、無料でカウンセリングを受けられたりします。
公的機関によるカウンセリングの例としては、以下の3つが挙げられます。
- NPO法人「東京メンタルヘルススクエア」<
- 各自治体「いのち支える相談窓口」
- 厚生労働省「こころの健康相談統一ダイヤル」
3つの公的機関によるカウンセリングサービスの例を詳しく見ていきましょう。
NPO法人「東京メンタルヘルススクエア」
NPO法人の東京メンタルヘルススクエアでは、低価格の有料カウンセリングや無料相談を実施しています。有料カウンセリングサービス「お話しパートナー」では3,000円(手数料300円)で利用でき、対面・オンライン・電話からコミュニケーション方法を選んで専属カウンセラーに相談可能です。
電話相談「こころのほっとライン」とチャット相談「こころのほっとチャット」では、無料での相談に対応しています。電話相談は1回20分1日2回まで、チャット相談は1回50分1日1回まで利用可能です。
各自治体「いのち支える相談窓口」
自殺総合対策推進センターでは、都道府県・政令指定都市に設置されている「いのち支える相談窓口」を案内しています。
自殺総合対策推進センターの公式HPでは、自治体別の相談窓口一覧へのリンクがまとめられており、リンクにアクセスすると相談窓口それぞれの窓口名や電話番号などを確認できます。
厚生労働省「こころの健康相談統一ダイヤル」
こころの健康相談統一ダイヤルは、都道府県や政令指定都市が行う電話相談事業に全国共通の電話番号を設定するという、厚生労働省による取り組みです。掲載されている電話番号に電話をかけると、電話の発信地にある公的相談機関に接続されます。
相談に対応している曜日や時間は、都道府県・政令指定都市によって異なり「こころの健康相談統一ダイヤル」のホームページにまとめられています。
大学院生が対応するカウンセリングセンターを探す
大学附属のカウンセリングセンターは、臨床心理士指定大学院に設置されている相談機関であり、大学に所属している大学院生などがカウンセリングに対応します。相談機関としての側面だけでなく、実習・研究機関としての位置づけがあるため、民間のカウンセリングサービスよりも料金が安価な場合が多いです。
手頃な料金ながら大学附属ということもあって設備は充実しており、地域の相談機関として幅広い悩みや不安の相談に対応しています。
大学院生が対応することに不安を感じる人も多いかもしれません。確かに大学院生は既に資格を持っているカウンセラーの技術や経験に劣る部分もあるかもしれませんが、対応する学生は大学の教員やカウンセラーから指導を受けており、カウンセリングの知識を身につけています。カウンセラーを目指している人たちなので、実践から吸収しようと、真摯に対応してもらえる場合もあるでしょう。
安価で受けられるカウンセリングの利用も検討しましょう
一般的なカウンセリングの料金が高い理由は、必要経費が多くかかる中で、質を維持したり、利益を得たりする必要があるためです。しかし、すべてのカウンセリングが高いというわけではなく、安価で受けられるカウンセリングサービスもあります。
オンラインカウンセリングサービスや公的機関によるカウンセリング、大学院生が対応するカウンセリングセンターなどは、比較的安く利用できるサービスです。コストを抑えてて相談したい、カウンセリングに充てられるお金があまりないという人は、安価で受けられるカウンセリングの利用を検討してみてはいかがでしょうか。