性被害へのカウンセリングの効果とは。おすすめのカウンセリングサービスをご紹介
性被害に遭い、心を深く傷つけられたとき、カウンセリングを受けることでどのような効果を期待できるのでしょうか。性被害へのカウンセリングの効果について解説し、チャットや電話で相談できるカウンセリングサービス、東京・大阪のカウンセリングサービスを紹介します。性被害で傷ついている人、そして、性被害によって家族や大切な人を傷つけられた人は、ぜひご覧ください。
目次
性被害へのカウンセリングの効果とは
性被害に遭った人は、しばしば「自分に落ち度があった」という考えを持ちます。被害に遭った本人が「自分にも責任がある」と考えることがあるだけでなく、親や友人などの身近な人が「あなたにも落ち度があったのでは?」と発言することで自分が良くないと考えるようになるケースもあります。
性被害へのカウンセリングでは、まずは被害者に責任がないことを明らかにします。その前提を明らかにしたうえで、被害者の気持ちに寄り添い、被害者が安心と安全、世の中に対する信頼感を取り戻すサポートをしていきます。
過去の性被害に悩まされている人も同様です。カウンセリングを受けて、「自分が被害者であり、悪いのは加害者である」という事実を認識し、性被害による後遺症やトラウマを克服していきます。
全国どこでも利用できる性被害へのカウンセリングサービス
カウンセリングが必要だということが分かってはいても、実際にカウンセラーの元に行くことは抵抗があるという人も多いでしょう。性被害によって心を傷つけられていて、自分の気持ちを打ち明けることにためらいを感じることもあります。
そのような人は、オンラインや電話によるカウンセリングサービスを利用できます。実際にカウンセラーと顔を合わすわけではないため、心の奥深くに仕舞い込んでいた気持ちも素直に話せるかもしれません。ここでは、全国どこからでも利用可能なオンラインカウンセリングサービスを4つ紹介します。(※以下、2023年8月1日時点での情報です。)
24時間チャットで連絡できる「Unlace(アンレース)」
「Unlace(アンレース)」は、公認心理師・臨床心理士といった資格を持ったカウンセラーにチャット形式やビデオ形式で相談ができるオンライン完結型のカウンセリングアプリです。
Unlaceではカウンセリング前に相談内容を入力でき、その内容を元に複数のカウンセラーからオファーが届きます。その中から相談したいカウンセラーを選ぶことができるため、自分に合ったカウンセラーに相談することができます。
Unlaceでは、一定の期間ごとに料金が発生するシステムを採用しています。24時間365日いつでも連絡でき、期間内なら料金を気にせずに何度でも相談できるので、納得できるまでカウンセラーとチャットでやり取りすることができるでしょう。また、メッセージプランの利用中であれば、チケットを購入することで1回30分のビデオカウンセリングを利用することもできます。
Unlaceはカウンセリングだけでなく心理診断やセルフケアのコンテンツもあるため、自分の特性を理解したり悩みを整理しながらカウンセリングを進めることができるのもメリットです。
SNSで相談できる「キュアタイム」
男女共同参画局では、性暴力の悩みをSNSを通じて相談するサービス「キュアタイム」を提供しています。匿名で相談できるので、カウンセラーに名前等の個人情報を伝えたくない人も利用しやすいでしょう。なお、相談できる時間帯は毎週月・水・金・土の16~21時のみに限られます。
電話で相談できる「ハートさん」
警察庁では、性被害に対する電話相談窓口「ハートさん」を設けています。電話をかけるとお住まいの地域の性犯罪被害相談電話につながり、カウンセリングを受けることができます。ただし、平日の営業時間のみなので、土日祝日や夜間は利用できません。また、性被害に遭いそうなときや遭ったときなどの緊急時は110で対応しています。
総合的な支援を可能な限り一か所で提供する「ワンストップ支援センター」
性被害に遭うと、医師の診断を受けたり、警察に報告したり、カウンセリングを受けたりと、様々な機関を訪れる必要が生じることがあります。性被害を受けたことにより被害者は心身ともに傷ついていますが、煩雑な手続きや作業が加わることでさらに心を疲弊させてしまうかもしれません。
男女共同参画局では、医師による心身の治療からカウンセリングによるサポート、捜査関連の支援、法的支援をワンストップで受けられる「ワンストップ支援センター」を設置しています。全国共通の短縮番号でお住まいの地域の支援センターに電話がつながります。
東京で利用できる性被害のカウンセリングサービス
実際にカウンセラーと会って相談したい人は、面談によるカウンセリングサービスを検討できるでしょう。ここでは、東京で利用できる性被害のカウンセリングサービスを2つ紹介します。
電話相談・直接面談に対応している「被害者支援都民センター」
「被害者支援都民センター」は、犯罪被害者やその家族をサポートする団体です。直接面談以外にも、電話やファックス、メールによる相談も受け付けています。電話相談は土日祝日と年末年始以外の毎日、ファックスとメールは24時間365日いつでも相談が可能です。ただし、ファックスとメールは返信を受け取るまでに数日かかるため、急いでいる人は電話を選びましょう。
24時間対応の支援団体「性暴力救援センター・SARC東京」
「性暴力救援センター・SARC東京」は、性暴力や性犯罪の被害者救援を目指す支援団体です。性暴力に遭ったときや盗撮や痴漢などの被害に遭ったときは、24時間365日いつでも電話で相談できます。また、緊急避妊ピルが必要なときは産婦人科を紹介したり、警察へ通報したりと、必要なサービスをワンストップで受けられる点も特徴です。
大阪で利用できる性被害のカウンセリングサービス
続いて、大阪で利用できる地域密着型の性被害カウンセリングサービスを2つ紹介します。それぞれ提供しているサービスが異なりますので、必要な支援を受けられるか確認してから連絡しましょう。
電話相談・直接面談に対応している「大阪被害者支援アドボカシーセンター」
「大阪被害者支援アドボカシーセンター」では、土日祝日と年末年始を除いて電話による相談を受け付けています。また、必要に応じて直接面談によるカウンセリングを受けたり、裁判所や警察、医療機関等への付き添いを依頼したりすることもできます。
治療までワンストップで受けられる「大阪SACHICO」
「性暴力救援センター・大阪SACHICO」では、性被害に遭った人やその家族、身近な人が利用できる24時間いつでも応対可能な電話窓口を設けています。また、来所相談も受け付けているので、支援員と話し合うことも可能です。その他にも、産婦人科医師による支援や、弁護士・カウンセラーに関する情報の紹介なども行っています。
子どもや家族の性被害も相談
子どもが性被害に遭ったときは、親が代わりにカウンセリングサービスや支援団体等に相談し、子どもの心のケアや医療機関・法的措置などを行う必要があります。また、他の家族が性被害に遭ったときも、本人の代わりに支援を求めることができるでしょう。
ほとんどのカウンセリングサービスや支援団体では、家族や身近な人による相談も受け付けています。性被害に遭うことで心に大きなダメージを受け、一時的に主体的な行動を取れなることは少なくありません。被害者が少しでも早く安心を得られるように、代わりに助けを求めることも必要といえるでしょう。
カウンセリングを活用して性被害のトラウマに対処しましょう
性被害によるトラウマは、時間が経っても残り続けることがあります。被害者が悪いのではなく加害者が悪いという事実に気付き、少しでも早く自己を取り戻すためにも、カウンセリングサービスを利用することができるでしょう。
オンラインによるサービスなら、自宅などの好きな場所で好きな時間に利用できます。まずは一歩踏み出すために、外部のサービスを頼ることから始めてみましょう。