オンラインカウンセリングサービスとは。効果・種類・注意点・おすすめサービスまで解説
悩みや不安を解決するためにオンラインカウンセリングの利用を検討し始めると、様々な疑問が出てくるでしょう。そもそもどんなことをしてくれるのか、どんなサービスがあるのか、どうやって選べば良いのかなど、悩みは尽きないものです。オンラインカウンセリングには、それぞれのサービスに特徴があり、自分に合ったサービスを選ぶことが大切です。この記事では、おすすめのオンラインカウンセリングサービスやそれぞれの特徴、活用する際の注意点まで詳しく解説します。
目次
オンラインカウンセリングの特徴
オンラインカウンセリングの利用を決める前に、そもそも何をしてくれるサービスなのか、種類や特徴を理解しておくことは重要です。効果や特徴、利用時の注意点についてみていきましょう。
オンラインカウンセリングとは
オンラインカウンセリングとは、パソコンやスマートフォンなどを使って、カウンセリングルームや医療機関などに行かずにカウンセリングを受けられるサービスです。カウンセリングの効果や対面のカウンセリングとの違いを詳しく解説します。
オンラインカウンセリングの効果
オンラインカウンセリングを受けることによって、さまざまな効果を期待できます。1つ目の効果は、悩みや不安を第三者に理解してもらえたことによる安心感を得られることです。悩みを打ち明けられない、話しても理解してもらえないという人でも、カウンセラーが悩みに寄りそってくれる経験を通して、安心感を得たり、前向きになったりすることができます。
2つ目の効果は、カウンセリングを通して悩みの本当の原因に気づけることです。自分の言葉で悩みや不安を伝えることによって、自分を客観視することができます。それにより、抱えている不安や悩みを整理でき、不安や悩みを生んでいた考え方、行動パターンや環境が何だったかといった本当の原因に気づくことができるようになります。
最後に、カウンセラーのサポートを受けられて具体的な行動に活かせることも大きな効果です。自分だけでは解決できない悩みや問題に対して、プロであるカウンセラーが寄り添ってサポートしてくれます。カウンセラーのサポートによって、主体的に悩みを解決していくための大きな一歩を踏み出せるでしょう。
対面のカウンセリングとオンラインカウンセリングの違い
対面のカウンセリングとオンラインカウンセリングの大きな違いは、直接対面するかどうかです。対面のカウンセリングは、カウンセリングルームや医療機関などを訪れる必要がある一方で、オンラインカウンセリングは電話やメールなどを使って遠隔でカウンセリングサービスを受けることができます。
気になる効果については、対面と非対面で大きな違いはないという調査結果があります。Client Satisfaction and Outcome Comparisons of Online and Face-to-Face Counselling Methodsによると、GAFといわれる成人の社会的・職業的・心理的機能を1~100の点数でスコア化した評価において、オンラインでのカウンセリングはカウンセリング開始時から7.5ポイントアップした77.8点、対面のカウンセリングは開始時から5.8ポイントアップした73.4点となっており、どちらも同じくらいの効果を期待できることが分かります。
オンラインカウンセリングの種類と特徴
オンラインカウンセリングは、コミュニケーションの種類によって以下の4つに分類されます。
- チャットカウンセリング
- ビデオカウンセリング
- 電話カウンセリング
- メールカウンセリング
それぞれの特徴を理解して、自分に合ったカウンセリングを選んでみてください。
チャットカウンセリング
チャットカウンセリングは、文字通りチャットを活用したカウンセリングサービスです。同じく文字によるカウンセリングであるのメールカウンセリングに比べて、気軽にやり取りできることが特徴です。場所を選ばず、すき間時間を使って自分のペースで相談でき、会話内容が記録に残るので、後からカウンセリング内容を振り返ることも可能です。
メールと共通する部分ですが、文字のみで気持ちを伝える必要がある点には注意しましょう。表情や声色が伝わらないので、気持ちがうまく伝わるように、文章には少しだけ気を遣いましょう。
ビデオカウンセリング
ビデオカウンセリングは、対面のカウンセリングに最も近い方法であり、Web会議ソフトやビデオ通話などを使ってカウンセラーと対話できます。
互いの表情を見たり、声を聞いたりしながらやり取りできるのが特徴です。ただし、利用するためには、パソコンやソフトの設定・操作が必要になるので、それらに不慣れな人は少々不便を感じるかもしれません。
電話カウンセリング
電話カウンセリングは、電話やボイスチャットによって音声のみでカウンセラーに相談できるサービスです。対面でのやり取りや文章のみでの相談が苦手な人でも利用しやすいサービスといえます。
音声のみで相談することから、表情が見えずに気持ちが伝わりにくいこともあります。表情が見えない分、感情がカウンセラーに伝わるように、抑揚やスピードなど話し方を工夫する必要があるでしょう。
メールカウンセリング
メールカウンセリングは、メールを用いて文章でカウンセラーに相談する方法です。メールで送信した文章やカウンセラーからの文章を後から見直せることがメリットとなります。
ただし身近なチャットサービスとなっているLINEとメールを比べると、やはりメールは使いにくいと感じる人が多いでしょう。
オンラインカウンセリングの注意点
オンラインカウンセリングには、好きな場所・時間で利用できる、対面に不安があっても利用しやすいなどのメリットがある一方で、いくつかの注意点があります。注意点を把握したうえで、オンラインカウンセリングの利用を検討しましょう。
機器やソフトなどの扱いに慣れが必要
オンラインカウンセリングは、パソコンやスマートフォンなどの機器を使用して行います。ビデオカウンセリングではWeb会議ソフトを使用することもあり、機器やソフトに慣れていないと不便を感じるでしょう。機器やソフトの扱いに不安がある人は、自分にとって利用しやすい方法を選ぶのがおすすめです。
また、何らかのトラブルで不具合が発生する可能性もあります。通信が途切れたり、映像・音声が乱れたりすることもゼロではないので、安定したシステムやソフトを使用しているサービスを選んだり、事前に動作確認をしたりすると安心です。
プライバシーの保護に不安がある
カウンセリングでは、個人情報や相談内容などプライバシーに関わる情報を伝える必要があります。インターネットや機器を通すことによって、セキュリティが弱いと個人情報が漏洩する可能性があるので、どのようにプライバシーを保護しているのかをあらかじめ確認しておきましょう。
プライバシーポリシーの記載内容や、使用しているシステムの安全性などをホームページでチェックすることが大切です。
相談内容が上手く伝わりにくいこともある
オンラインカウンセリングは、相談方法によっては対面に比べて情報量が少なくなります。電話カウンセリングでは表情、メール・チャットカウンセリングでは表情や声色といった情報が伝わらないので、気持ちがうまく伝わらないこともあるでしょう。
オンラインカウンセリングの種類で触れたように、話しに抑揚をつけたり、相談内容をあらかじめまとめたりするなど、気持ちが伝わるように工夫することが大切です。
オンラインカウンセリングがおすすめの人
ここまで解説してきた内容を踏まえて、以下のような人にオンラインカウンセリングをおすすめします。
- 時間や場所に縛られずにカウンセリングを利用したい人
- 費用をおさえてカウンセリングを受けたい人
- 対面でのやり取りが苦手・顔を出すのに抵抗がある人
時間や場所に縛られずにカウンセリングを利用したい人
オンラインカウンセリングは、相談するためにカウンセリングルームに出向く必要がありません。自分にとって落ち着く場所や都合の良い場所を選んで、気軽に利用できます。
また、対面のカウンセリングを受けるために施設に行く時間や手間を考える必要がなく、すき間時間を見つけて気軽に利用できます。時間や場所に縛られず、自分の好きなタイミングで利用したい人におすすめです。
費用をおさえてカウンセリングを受けたい人
オンラインカウンセリングは、対面のカウンセリングに比べて手頃な料金設定になっていることが多いです。カウンセリングルームを持つ必要がなく、運営費や維持費などが発生しないため、料金を抑えることができます。
カウンセリングにあまりお金をかけられない人や、できるだけ少ない費用で利用したい人などに、オンラインカウンセリングがおすすめです。
対面でのやり取りが苦手・顔を出すのに抵抗がある人
対面のやり取りが苦手な人や顔を出すことに抵抗がある人なども多いでしょう。そのような人にも、オンラインカウンセリングがおすすめです。
オンラインカウンセリングでは、対面することなく音声や文章だけで相談できます。画面越しなら大丈夫という人であれば、ビデオカウンセリングで顔を合わせながらやり取りすることが可能です。顔を出すのに抵抗がある人は、電話カウンセリングやチャットカウンセリングなどで気軽に相談できます。
おすすめのカウンセリングサービス
ここでは、おすすめのカウンセリングサービスを3つのカテゴリに分けてご紹介します。自身に合うサービスを選ぶ参考にしてください。(※以下、2023年8月1日時点での情報です。)
チャット形式で気軽に相談ができるサービス
ここでは、チャット形式で気軽に相談できるサービスをご紹介します。サービスそれぞれの特徴を理解して、最適なチャットカウンセリングを利用しましょう。
Unlace(アンレース)
Unlace(アンレース)は、公認心理師・臨床心理士といった資格を持ったカウンセラーにチャット形式やビデオ形式で相談ができるオンライン完結型のカウンセリングアプリです。
Unlaceではカウンセリング前に相談内容を入力でき、その内容を元に複数のカウンセラーからオファーが届きます。その中から相談したいカウンセラーを選ぶことができるため、自分に合ったカウンセラーに相談することができます。仕事・キャリアや恋愛・結婚、家族などさまざまな内容の相談に対応しています。
料金プランは定額プランとなっており、利用期間中24時間365日いつでも連絡可能です。また、サービスに満足できなかった場合、条件付きではあるものの全額返金保証制度を設けていますので、利用料金が返金されます。メッセージプランの利用中であれば、チケットを購入することで1回30分のビデオカウンセリングを利用することもできます。
Unlaceはカウンセリングだけでなく心理診断やセルフケアのコンテンツもあるため、自分の特性を理解したり悩みを整理しながらカウンセリングを進めることができるのもメリットです。
KIRIHARE
KIRIHAREは、ビデオカウンセリングとLineカウンセリングを提供しています。それぞれの方法で相談できるカウンセラーは、独立開業し、医療現場でも活躍している臨床心理士が中心です。
カウンセラーは、ブログ記事や動画を独自に掲載しています。コンテンツを確認することによって、自分に合ったカウンセラーを選べるのが特徴です。
ビデオ相談ができるサービス
チャットで相談できるサービスに続いて、ビデオ相談ができるサービスをご紹介します。サービスによって、対話時間や料金などが異なるので、詳細や特徴をチェックしてから利用するサービスを決めましょう。
ココロワークス
ココロワークスは、パソコンやスマートフォンなどからビデオチャットシステムを通し、カウンセラーと相談できるオンラインカウンセリングサービスです。在籍しているカウンセラーは、臨床心理士や公認心理師のみとなっており、その中でも専門性の高い人材を採用していると謳っています。
カウンセリングに使用するシステムは、大手企業や政府機関が採用する安全性・安定性の高いシステムであり、利用者のプライバシー保護に努めています。
うららか相談室
うららか相談室では、ビデオカウンセリングをはじめとして、メッセージカウンセリング、電話カウンセリングにも対応しているサービスです。在籍しているカウンセラーは、臨床心理士またはその他国家資格を持っており、さまざまなカウンセラーのなかから経歴や得意分野を参考にして自分に合ったカウンセラーを選べるのが特徴です。
cotree
cotreeは、2014年に始まった日本最大級のカウンセリングプラットフォームです。
提供しているカウンセリングは、話すカウンセリング、書くカウンセリングの2つです。ビデオ通話や音声、テキストメッセージから自分に合った相談方法を選べます。どちらのサービスも会員登録を行うと、相談者に合ったカウンセラーをマッチングし、コミュニケーションがスタートします。
在籍しているカウンセラーは、人間性・実績・技術などの観点で行った厳しい審査を通過した、経験豊富な人材のみであることが特徴です。
東京メンタルヘルス・スクエア
東京メンタルヘルス・スクエアでは、「お話しパートナー」というカウンセリングサービスを提供しています。対面・電話・zoomで1回50分のカウンセリングを利用でき、専門スキルを持った専属カウンセラーが利用者をサポートするサービスです。
zoomを使ったビデオカウンセリングだけでなく、映像なし・音声のみのzoomカウンセリング、音声のみの電話カウンセリングも利用できます。
一般社団法人国際心理支援協会
一般社団法人国際心理支援協会では、公認心理師・臨床心理士によるカウンセリング心理療法オフィスを設置しています。さまざまな利用者のニーズに合わせて、短期間の改善が見込める心理療法も提供できるようにしているのが特徴です。
オンラインカウンセリングは、原則ビデオ通話で対応している、zoomまたはSkypeを使用したカウンセリングです。人間関係の悩みやうつ症状などに対応しています。
kikiwell
kikiwellでは、「カウンセリングの垣根を低く」というスローガンのもと、雑談から心理療法まで幅広く対応しています。
オンラインカウンセリングとしては、電話カウンセリングを利用可能です。料金は回数券で設定されており、以下のようになっています。
- 回数券2枚(6ヶ月有効):8,800円
- 回数券4枚(6ヶ月有効):12,650円
- 回数券8枚(6ヶ月有効):30,800円
- 回数券16枚(6ヶ月有効):52,800円
- 回数券32枚(6ヶ月有効):99,000円
※料金は全て税込です。
ココロサプリ
ココロサプリでは、経験・実績豊富なカウンセラーによる電話カウンセリングサービスを行っています。各分野についての知識や人生経験をもとにして、悩みを少しでも軽くするサポートを行っているのが特徴です。
また、プライバシーにも配慮しており、悩みの内容やカウンセリングを利用していることを知られる心配はないとホームページに明記しています。匿名での相談にも対応しています。
無料で相談ができるサービス
有料のオンラインカウンセリングサービスだけでなく、無料で相談できるサービスもあります。費用を抑えてカウンセリングを受けたい人は、ぜひチェックしてみてください。
東京メンタルヘルス・ スクエア
ビデオ相談ができるサービスで紹介した東京メンタルヘルス・スクエアでは、無料相談サービスも実施しています。
無料相談サービスは、電話の無料悩み相談「こころのほっとライン」、チャット形式の無料悩み相談「こころのほっとチャット」の2種類です。無料ながらも、電話やチャットで気軽に利用でき、専門知識を持つボランティアのカウンセラーに悩みを相談できます。
無料で電話相談ができるサービス
無料で電話相談ができるサービスとして、厚生労働省では電話相談窓口を紹介しています。紹介している電話相談窓口は以下の通りです。
- こころの健康相談統一ダイヤル:0570-064-556
- #いのちSOS:0120-061-338 受付時間12~22時
- よりそいホットライン:0120-279-338※岩手・宮城・福島から0120-279-226 24時間対応
- いのちの電話:0570-783-556(ナビダイヤル)受付時間10~22時 0120-783-556(フリーダイヤル)受付時間16~21時※毎月10日8~20時
- チャイルドライン:0120-99-7777 受付時間16~21時 ※18歳までの人対象
- 子供(こども)のSOSの相談窓口(そうだんまどぐち):0120-0-78310 24時間対応
- 子どもの人権110番:0120-007-110 受付時間8時30分~17時15分
オンラインのカウンセリングサービスそれぞれの特徴を踏まえて選びましょう
オンラインカウンセリングサービスには、チャット、ビデオ、電話、メールといった4種類があります。それぞれに特徴やメリット・デメリットがありますので、自分に合ったサービスを選ぶことが大切です。ご紹介したオンラインカウンセリングサービスを参考にして、サービスの特徴を踏まえたうえで、最適なオンラインカウンセリングを選びましょう。